北の水辺で水面や空を眺めての独り言

by kitanomizube
 
ヨーロッパの火薬庫が火種にならぬよう・・

コソボが昨日、セルビアからの独立を宣言した
朝日新聞の記事から

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コソボ、独立を宣言 欧米は国家承認へ ロシアは反対
2008年02月18日01時07分
 セルビア南部コソボ自治州議会は17日午後3時(日本時間同日午後11時)から臨時議会を開き、セルビアからの独立を宣言した。多数派アルバニア系住民とセルビア人の民族紛争は99年、北大西洋条約機構(NATO)軍による空爆に至った。それから約9年。「悲願の独立」が実現したが、国連事務総長特使の包括提案に沿って、欧州連合(EU)を中心に新しく作られる国際機構の強い監督権限の下に置かれる特殊な独立になる。
 米国や欧州諸国の多くは近く国家承認する見通しだが、セルビアは「独立は無効」と主張、ロシアも反対し、国連加盟は難しい情勢だ。セルビアのコシュトニツァ首相は独立宣言直後に演説し、「一方的な宣言で、国際法違反だ。コソボという名の偽の国家は存在せず、独立は永遠に無効だ」と述べた。タディッチ大統領は「すべての外交的、平和的手段で国際社会に独立を無効とするよう訴える」と語った。政府は武力阻止は否定しているが、経済制裁を検討しており、緊張が高まるのは避けられない。
 コソボのサチ首相は臨時議会で「コソボは独立した主権国家となることを宣言する。民主的、世俗的で多民族の国家となり、EU加盟を目指す」とアルバニア語で宣言を読み上げた。出席議員109人全員が賛成し、独立宣言を採択した。臨時議会は国旗のデザインも定め、閉会した。
 採択に先立ち、サチ首相とセイディウ大統領は演説の一部にセルビア語を使って「少数派の権利を保障する」などと話し、セルビア人への配慮を見せた。 
 EUは警察官ら2000人規模の文民支援隊を派遣し、4カ月後に国連コソボ暫定行政支援団(UNMIK)を引き継ぐ計画。EUが送り込む国際文民代表は法案拒否権や官僚罷免権など強い権限を持つ。この体制が5〜10年は続くとみられる。
 コソボの独立は90年代から始まった旧ユーゴスラビア解体の最後となる。ただ、バルカン地域の不安定化や分離・独立運動を抱える国々への「連鎖反応」が懸念されている。
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EU主要国は独立を承認する意向だが・・・
朝日新聞の記事から

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仏・独・英・伊、国家承認の考え示す コソボ独立
2008年02月19日01時19分
 セルビア・コソボ自治州の独立宣言をうけ、フランスとドイツ、英国、イタリアの各外相は18日、コソボを国家承認する考えを明らかにした。欧州連合(EU)はこの日、ブリュッセルで外相理事会を開き、コソボで活動する警察官ら2000人規模の文民支援隊の派遣日程などを協議するなど、コソボ独立への実質的な支援に着手した。ただEU内でも独立反対の国があるため、EUとしてコソボ承認を明確に促すことは避け、各加盟国に任せた。
 EUの大勢はコソボ独立支持だ。クシュネル仏外相は外相理事会後、「サルコジ仏大統領が承認を知らせる文書をきょうにもコソボに送る」と述べた。仏独など4大国が早期に承認し、EUとしての流れをつくる。EU議長国スロベニアのルペル外相は「多くの加盟国がコソボを承認するだろう」と述べた。
 EUが派遣する文民支援隊は4カ月後に国連コソボ暫定行政支援団(UNMIK)を引き継ぐ計画で、「独立コソボ」に対するEUの支援を目に見えるかたちで示す。EUとしてはこの体制を5〜10年は続け、独立国家としてのコソボの足場固めをする考えだ。
 EUではキプロスやギリシャ、スロバキア、スペインなどがコソボ独立に反対している。少数民族の分離・独立を刺激するなどの理由だ。だが、こうした国も文民支援隊の派遣を強く拒否する立場はとっていない。
 外相理事会では、コソボ独立に反対するセルビアへの対応も話し合った。EUはセルビアに対し、「見返り」としてEU加盟を視野に入れた暫定協定を提案したが、セルビアの反発で締結は延期を余儀なくされた。理事会としては、コソボとセルビアにEUへの扉が開かれていることを伝える方針だ。
〜〜〜ここまで〜〜〜

かつて・・100年ほど前、「ヨーロッパの火薬庫」と呼ばれ、第一次世界大戦のきっかけとなった地。ソ連崩壊以後、ユーゴスラビアの解体に伴い幾度も凄惨な地域紛争の嵐が吹き荒れた地に、再び紛争が起きるのだろうか??

第一次世界大戦では、オーストリア・ドイツ・トルコの「三国同盟」諸国と、ロシア・フランス・イギリスの「三国協商」との対立関係が背景にあった。皇太子をセルビアの青年に暗殺されたオーストリアがセルビアに宣戦布告、セルビアを後押しするロシアが参戦すると、互いの同盟国が次々に参戦したのだった。
つまりは、大国の利害の対立に、「火薬庫」の紛争が、きっかけとして利用されたのだった。
今回は、NATO軍が駐留して強力に紛争防止の役目を果たしていることもあり、セルビアも軍隊の出動はしない・・と言ってはいるが・・・
なんとか紛争に発展させず、平和的に解決してもらいたい

国連安保理で、ロシアが唯一反対しているのが気にかかる
安保理は、ご存じの通り、常任理事国には拒否権があり、1カ国でも拒否権を発動したなら決議が無効になるからだ。
この常任理事国は、米、英、仏、中、露だ
所謂、第二次世界大戦の戦勝国の特権である
中、露は、その時からは政治体制が変わっているので、継続するのもどうかと思うが・・・
どっちにしても、国際的な世論形成に、たった1カ国の反対で水をさせる仕組みはなくしたらどうか
60年以上前に終結した戦争の戦勝国にだけ、永久に特権を付与するのもおかしな話だろう

それにしても、どうするのが一番良いのだろう??

第一次世界大戦後のヨーロッパは「民族自決」の原則で、国家の独立が進んだ。その理屈から行くと、独立は承認されるべきだろう。
実際、旧ユーゴスラビアは、凄惨な紛争の後、スロベニア、クロアチア、ボスニアヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ、マケドニアに分裂している。コソボはセルビアからの最後の独立国家となりそうなのだが・・・

一つの民族が、他の民族に虐げられている状況はなくさなければならないだろう。
民族ごとに独立し、国家として成立し、それぞれの文化を維持、発展できるのが望ましいのかもしれない
しかし、国家が小さくなればなるほど、単独で全てを賄うのは苦しくなるだろう
近年のグローバル化の嵐の中では、それは益々困難だと思う
だからこそ、EUのような緩やかな統合が求められ、世界は徐々にそちらの方向へ向かっているのではないのか?
単独の超大国が覇権を行使することに対し、緩やかな連合により、より大きな勢力として、そのような横暴を抑えつつ、最終的には世界が一つの国のようになれば、戦争もなくなって、無駄な軍事費に多額の費用を割く必要も無くなるのではないのか?

それぞれの民族は自治権を持ち、それぞれの文化の下に生活を営む。それでいて他の民族と共存する・・・
そうはなれないのだろうか?

by kitanomizube | 2008-02-19 03:20 | 国際
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