北の水辺で水面や空を眺めての独り言

by kitanomizube
 
日本の青空

今、全国で上映会が行われている「日本の青空」という映画がある
戦後まもなく作られた「憲法研究会」の「鈴木安蔵」をモデルにしており
「日本国憲法の基礎は日本人が作った」史実の映画化である

これは、「改憲ムード」が高まり、「押しつけられた憲法」という誤解がある現在の憲法は
実は大部分が日本人の手によって作られた草案を基にしたものであり
「自主憲法制定」という言葉は、保守政党の単なる宣伝に過ぎないということを明快に主張している

この史実の分かり易い解説が毎日新聞に載った(東京の朝刊らしい)
毎日新聞の記事から

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憲法研究会:「民主的な制定運動を」 激論経て「象徴天皇制」へ
 1945年11月5日。東京・日比谷で大空襲の戦火を免れたビルの一室「新生社」に「憲法研究会」メンバーが集まった。きっかけは10月29日の日本文化人連盟の創立準備会。高野岩三郎元東大教授が憲法学者の鈴木安蔵氏に「民主的な憲法制定運動を起こそう」と呼びかけ、評論家の室伏高信氏が場所の提供を申し出た。室伏氏も政治評論家、岩淵辰雄氏と「民間で機運を作ろう」と相談していた。これに高野氏の弟子の森戸辰男元東大助教授、岩淵氏が師と仰ぐ政治評論家の馬場恒吾氏、評論家で元早大教授の杉森孝次郎氏が加わった。
 メンバーには言論をめぐり弾圧された体験が共通している。20年、森戸氏が発表した論文が新聞紙法違反に問われ、国家体制を破壊するとして投獄された「森戸事件」。恩師の高野氏は森戸氏を全面的に支援。公判中の支援集会で室伏、杉森両氏が演説した。このほか、鈴木氏や岩淵氏も投獄経験があった。
 憲法研究会は12月上旬までほぼ週1回開催。天皇制をめぐって激論が戦わされた。岩淵氏が「天皇から一切の政治上の権力を取ってしまおう」と主張したのに対し、杉森氏らが「そんな天皇ってものがあるか」。室伏氏も「議会、内閣で決めたものに判を押すオーソリティー(権威)に」と発言。高野氏は天皇制を廃止する共和制私案を持参したが、会員の反応は「時期尚早」だった。岩淵氏によると、室伏氏か杉森氏がシンボルという言葉を考え出し、「象徴天皇制」構想が固まった。
 馬場氏の「国家が存在しおって、しかも国際平和なき民主主義は存在し得るや」との発言で平和条項が盛り込まれ、杉森氏の提案で「諸民族との協同の義務」が追加された。森戸氏が「国民は健康にして文化的水準の生活を営む権利を有す」との規定を提案。GHQ草案には反映されなかったが、森戸氏はその後、政府案の国会審議で自ら修正を提案。生存権規定として実を結んだ。
 自由権、平等権、参政権など、基本的人権に関する規定の多くについて、草案をまとめた鈴木氏の主張が生かされた。【上野央絵】
毎日新聞 2007年8月5日 東京朝刊
〜〜〜ここまで〜〜〜

今回の選挙で、自民の独断に対して・・というか安倍の性急な強硬路線には一応「NO!」を突きつけた国民だが
九条改憲には抵抗が少なかった現実がある
特に若者には、戦場の認識がないし、自分が行くかもしれないという意識もなく他人事なのが現状だ
取り立てて勉強しているわけでもないので
「押しつけ憲法」と言われたら、「改憲も良いかも」程度に感じてしまうのだろう
そんなときに史実をしっかり認識すると共に
九条改憲が意味する本当のことを、想像する力も持ってほしい

by kitanomizube | 2007-08-06 06:22 | 平和
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