北の水辺で水面や空を眺めての独り言

by kitanomizube
 
これでも輸出するの?

廃炉を決めたカリフォルニアの電力会社が三菱に賠償請求
朝日新聞の記事から

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三菱重工製配管破損で米原発廃炉 電力会社、賠償請求へ
 【ロサンゼルス=藤えりか】三菱重工業製の蒸気発生器の配管破損で昨年から停止中の米カリフォルニア州南部のサンオノフレ原発について、運営する南カリフォルニア・エジソン社は7日、全2基を廃炉にすると発表した。住民の反対を受け、再稼働をめぐる米原子力規制委員会(NRC)の判断が長引き、コスト面から「維持は不経済」と判断した。同社は三菱重工に損害賠償を請求する。
 エジソン社は昨年10月、2基のうち1基を7割の出力で稼働する計画をNRCに出していたが、市民団体や一部議員が反対、NRCも公聴会を重ねるなどして判断に時間をかけてきた。エジソン社は「再稼働できるかどうか、できたとしてもいつになるか不安定な状態がこれ以上続くのは、利用者や投資家にとってよくないとの結論に至った」とコメントを出した。廃炉は長年かけて完了させる。
 エジソン社は廃炉に伴い、約1100人の人員削減を発表。NRCは昨年、三菱重工の「不十分なコンピューター分析が設計ミスを招いた」との調査結果を明らかに。一方、両社が設計に問題があることを把握しながら安全上の改良をしなかった、とする内部文書を米上院議員が明らかにしており、責任の所在をめぐって紛糾する可能性もある。
〜〜〜〜〜〜ここまで〜〜〜〜〜〜〜

サンオノフレ原発は、加圧水型で、福島の沸騰水型とは異なり、原子炉内部を通る一次冷却水から、熱を二次冷却水へ伝え、そ子で発生した高圧の蒸気でタービンを回す仕組み。
理論的には、二次冷却系には放射性物質は漏れないことになる。
北電の泊なんかはこのタイプ。
しかし、この問題になった蒸気発生器は、最初から事故の危険性を指摘されていたもの。
どのような事故が想定されたかというと、高圧の一次冷却水が通る蒸気発生器の管が、細くできていて、しかも常に振動を繰り返すことから「ギロチン破断」と呼ばれる破壊を起こす。もしこうなれば、急速に一次冷却水が二次冷却水に漏れる。そうすると、原子炉本体の冷却水が漏れるので、メルトダウンの危険性があるというもの。
実際に、日本の美浜原発で、この事故が起きたのは、危険性が指摘されてからのこと。
1991年2月9日に起きた美浜原発事故は、日本で初めて緊急炉心冷却装置ECCSが動作した事例だ。
あの頃も、「絶対にギロチン破断なんて起きない」と、言ってたっけな・・・
今回は、そこまでではないようだ。
蒸気発生器一機に3300本あるという細管の肉厚が薄くなって、漏れる事故なんだろうね・・
サンオノフレも美浜も、同じ三菱製だ。

問題はこの後。
こうやって、原発の事故に伴い損害賠償請求される事態が、起きてくるのだろうね。
インドの法律では、原発事故が起きた場合、電力会社だけでなく原発メーカーも被害者への保障をしなければならなくなっているそうだ。
こういう仕組みは日本の法律にも導入すべきだよね。
いつまで経っても、国も東電も充分な保障なんかする気がないもんな・・・

さて、日本は世界の3代メーカー全てに企業が加わっていて、原子炉圧力容器の世界シェアは8割が室蘭だという原発大国に、いつの間にかなっていた。ということは、調子に乗ってどんどん輸出した場合、事故が起きる度に、どんどん賠償請求が来ると言うことだろう。
事故の危険性、放射性廃棄物、日常的に漏れる放射性物質の問題だけでなく、この事故の補償を考えると、輸出に慎重になっても・・・あるいは、建設に慎重になっても良いんじゃないのかな?
安全神話は通用しないこと証明してしまったのだから・・

by kitanomizube | 2013-06-09 20:28 | 政治
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