北の水辺で水面や空を眺めての独り言

by kitanomizube
 
たかが旗や歌で・・・

日の丸君が代をめぐる処分問題が、今年度も東京都で起きているらしいですね。
日本は、この先、どこまで行くのでしょうか?
というか、とうとうここまで来たか・・というのが正直な感想です。
もう10年以上も前のことになりますが、北海道石狩管内の小中学校で「日の丸君が代」が一斉に強行されました。それまでは職員団体との交渉にも応じ、意見を聞く度量もあったのですが・・
やはり管理職の力量というものも大きく影響するのかもしれません。あの当時はまだ法制化前ですから、強行することが、行政への自分の力のPRになったのでしょう。だから職員団体との交渉で、更に自分の力を示す場である「研究発表」への非協力・・・という対抗戦術には引き下がりました。でも、それを成し遂げた後は露骨でした。それこそ職務命令を振りかざし、処分をちらつかせながらの強行でした。でも、最も職員団体の意欲をそいだのは、他ならぬ内部崩壊でした。
仲間の一人が「校長、教頭へは義理があるから、一緒に戦えない」と言ったのです。
その年度の8月末まで、中体連の全国大会の事務局として、「みんなの協力がないとできない」「みんなが協力してくれたからできた」と言っていたのに・・。仲間たちも全て、夏休みを返上してその大会のために全力を尽くしていたのに・・です。その仲間たちの協力よりも、校長教頭への義理が勝るというのですからあきれました。そして、その発言に同調するものが数名出たのにも驚きました。こうやって行政に、長いものに巻かれ、楽な場所に安住し、あわよくば上昇する人間が増えることがこの世界を形作ってきたのでしょうね。
その時私は、「もう、レジスタンスしかないのかもしれない」と、真剣に感じ、仲間にも漏らしました。でも、その時ですら、まだ、こんなに早く現実になるとは思えませんでした。しかし、世の中の変化は加速しているようです。

その当時、小樽の公立学校で、壇上の日の丸を式が始まってからおろし、問題になった事件がありました。この後「正常化攻撃」といって、政権与党により議会で問題にされ、いっそう闘いは困難になっていきました。その経緯も知っていたので、強硬な手段に訴えることが必ずしも目的を達成するためにプラスにはならない・・ということも感じていたのです。

「5号館のつぶやき」さんが、この問題に対して「ここは、ひとつずるく立ち回っていただけないでしょうか」と書いていますが、その通りかもしれません。
もう、情けないことではありますが旧態依然とした労働組合の闘争では勝ち目がないのかもしれません。国旗国歌が法制化された今、この問題についてはなおさらでしょう。
確かに、あの論議の際には「内面に立ち入って強制はしない」という話もありましたが、「公務員に対する職務命令」は別なようです。
それよりも、私たちが真剣にしなければ行けないことは、「日の丸」も「君が代」も、しっかり教える事ではないでしょうか。過去の職員団体の運動では、ここを避けて通ってきていたように思います。単純に反対し、それについては授業ではふれないようにしてきた。その結果が現在の国民です。私たちの先輩たちの時代かもしれませんが、我々の時代も同じでしょう。「君が代がどう教えられてきたのか」子供たちに教えることは、歴史的事実を教えることです。その上で子供たちに判断させる。「日の丸が、何故アジアの国々に反発されるのか」子供たちに教えることも同様です。そうすれば、何故サッカーの試合で「重慶の住民があれほどの反応をしたのか」も、理解できるでしょう。現在、韓国や中国の指導者が、改めて現在の日本の指導者を批判する気持ちも理解できるようになるのではないでしょうか。
たかが旗や歌で処分されるのは避けましょう。
けれど、されど旗や歌なのです。
子供たちにはしっかり教えましょう。
そういう一つ一つの取り組みが、実は「レジスタンス」なのではないでしょうか。私は、この国の「ファシズム化」は、すでに始まっているように思います。前首相が「平成の教育勅語」と言っても、表だって批判のない世の中なのですから・・
憲法改正も、まるで既成事実のように進んでいます。同時に「教育基本法」も改正されるのでしょう。それが子供にとって幸せなことなのでしょうか?

このblogを読んでくれる人はほとんどいないのはわかっているのですが、もし目にとめる人がいたなら、子供たちの幸せを考えませんか?
子供たちが幸せになれる世の中作りを考えませんか?
そんな世の中作りを自分たちの手でできる子供たちを育てませんか?
それが大人の務めだと思うのです。
どうでしょうか?

by kitanomizube | 2005-03-27 13:50 | 教育
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